ケロッグ博士 (1994) : The Road to Wellville

20世紀初頭のアメリカを舞台に、珍妙な健康法に狂騒する人々をシニカルに描いたブラック・コメディ。実話を基にしたT・コラサッゲン・ボイルの小説『ケロッグ博士』(邦訳・新潮文庫刊)を、アラン・パーカーの監督・脚本で映画化。撮影はピーター・ビジウ、音楽はレイチェル・ポートマンがそれぞれ担当。

監督:アラン・パーカー
出演:アンソニー・ホプキンス、マシュー・ブロデリック、ブリジット・フォンダ、ジョン・キューザック、ダナ・カーヴィ、コルム・ミーニー、ララ・フリン・ボイル、ジョン・ネヴィルほか。

ケロッグ博士 (1994)のストーリー

1907年秋。ミシガン州。バトルクリーク・サニタリウム。そこはコーンフレークの発明者で名高いケロッグ博士(アンソニー・ホプキンス)の指導のもと、療養生活を送る施設。ウィル・ライトボディ(マシュー・ブロデリック)は、アルコールと肉の節制のため、ケロッグの説を盲信する妻エレノア(ブリジット・フォンダ)に連れられてやってくる。徹底した菜食主義と禁欲生活こそが健康で長生きの秘訣というケロッグの主張になじめないウィルは、夫婦別室で美しい妻も抱けず、うまい食事もとれず、粗食と浣腸が続く悶々たる日々。若い看護婦グレーヴス(トレイシー・リンド)や向かいの部屋のミス・ムンツ(ララ・フリン・ボイル)をみては妄想にふけっている。うんざりしたウィルはエレノアに家に帰ろうと頼むが、彼女はかつて二人の赤ん坊が死んだのはあなたのアルコールのせいだったと逆になじり返し、聞き入れない。ウィルは物分かりのいい老紳士ハート=ジョーンズ(ジョン・ネヴィル)に教えられた電気毛布でうさ晴らし。ある晩、彼はミス・ムンツに誘惑されるまま彼女を抱いてしまう。一方、夫婦と列車で知り合った青年チャールズ(ジョン・キューザック)は、伯母の資金をもとに健康食品販売で儲けようとしていたが、パートナーのベンダー(マイケル・ラーナー)はとんでもない山師で、あずけた資金も使い切っていた。チャールズはケロッグの養子で厄介者のジョージ(ダナ・カーヴィ)を抱き込み、ケロッグの名を利用してコーンフレークをつくろうとするがうまくいかない。クリスマス。米国菜食主義者協会会長のライオネル・バジャー(コルム・ミーニー)が着任。好色そうで奔放な言動の彼はご婦人方の人気の的で、ケロッグとは犬猿の仲。エレノアも友人のヴァージニア(カムリン・マンヘイム)の言うままに彼のグループに入ってしまう。だが、センターでは電気治療で死亡者が続出、ケロッグの秘書をはじめ、ミス・ムンツも死んだことを知り、ショックを受けたウィルは町へ脱出。レストランでレアステーキとビールを注文し、偶然再会したチャールズと大いに飲み食いした。酔って帰った彼は罰としてケロッグ博士の手術を受けた。春。エレノアは町でスピッツヴェーゲル博士の怪しい“ナデナデ治療”に夢中になる。ウィルはハート=ジョーンズにもらった電気ベルトでひとり悦ぶ日々。健康センター誕生を祝すガーデン・パーティの日。チャールズは出資した工場の視察に叔母の前でしどろもどろ。資金はベンダーが持ち逃げし、罪を彼にかぶせたのだ。逃げまどうチャールズ。一方、ウィルは森でバジャーやヴァージニアと“ナデナデ治療”で恍惚とする妻を見つけて激怒。喧嘩になるが、どうやらお互い健康幻想はなくなったらしく、帰ることに。その夜、センターはジョージの放火で火事になって焼け落ちた。数年後。ライトボディ夫妻は3人の子供をもうけた。チャールズは事業を成功させた。ケロッグ博士は老いてなお意気軒昂だったが、記者たちの前で飛び込みを披露した時、心臓発作で往生を遂げた。

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