日の名残り (1993) : The Remains of the Day

英国の名門家に一生を捧げてきた老執事が自身の半生を回想し、職務に忠実なあまり断ち切ってしまった愛を確かめるさまを描いた人間ドラマ。原作は、英国在住の日本人作家カズオ・イシグロ(石黒一雄)がTVドラマ用の脚本を改稿した同名小説(中央公論社)。主演のアンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソン、監督のジェームズ・アイヴォリー、脚本のルース・プローワー・ジャブヴァーラ、製作のイスマイル・マーチャント、撮影のトニー・ピアース・ロバーツ、音楽のリチャード・ロビンス、

監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソン、ジェームズ・フォックス、クリストファー・リーヴ、ヒュー・グラントほか。

日の名残り (1993)のストーリー

1958年。オックスフォードのダーリントン・ホールは、前の持ち主のダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイス(クリストファー・リーヴ)の手に渡っていた。かつては政府要人や外交使節で賑わった屋敷は使用人もほとんど去り、老執事スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。そんな折、以前屋敷で働いていたベン夫人(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンスは彼女の元を訪ねることにする。離婚をほのめかす手紙に、有能なスタッフを迎えることができるかもと期待し、それ以上にある思いを募らせる彼は、過去を回想する。1920年代、スティーヴンスは勝気で率直なミス・ケントン(後のベン夫人)をホールの女中頭として、彼の父親でベテランのウィリアム(ピーター・ヴォーン)を執事として雇う。スティーヴンスはケントンに、父には学ぶべき点が多いと言うが老齢のウィリアムはミスを重ねる。ダーリントン卿は、第一次大戦後のドイツ復興の援助に力を注ぎ、非公式の国際会議をホールで行う準備をしていた。会議で卿がドイツ支持のスピーチを続けている中、病に倒れたウィリアムは死ぬ。36年、卿は急速に反ユダヤ主義に傾き、ユダヤ人の女中たちを解雇する。当惑しながらも主人への忠誠心から従うスティーヴンスに対して、ケントンは卿に激しく抗議した。2年後、ユダヤ人を解雇したことを後悔した卿は、彼女たちを捜すようスティーヴンスに頼み、彼は喜び勇んでこのことをケントンに告げる。彼女は彼が心を傷めていたことを初めて知り、彼に親しみを感じる。ケントンはスティーヴンスへの思いを密かに募らせるが、彼は気づく素振りさえ見せず、あくまで執事として接していた。そんな折、屋敷で働くベン(ティム・ピゴット・スミス)からプロポーズされた彼女は心を乱す。最後の期待をかけ、スティーヴンスに結婚を決めたことを明かすが、彼は儀礼的に祝福を述べるだけだった。それから20年ぶりに再会した2人。孫が生まれるため仕事は手伝えないと言うベン夫人の手を固く握りしめたスティーヴンスは、彼女を見送ると、再びホールの仕事に戻った。

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